YOKUTO TECH BLOG

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AI・リプレイス・ニアショア開発まで。札幌のシステム開発会社ヨクトのエンジニアが、現場で得た知見や技術トピックを発信します。

Dify超入門 ・ ぜんぶ無料ではじめる全10回 第 10 回 ・ 最終回

公開・運用・コスト管理
― 埋め込み・API・自前APIキーで卒業

いよいよ最終回。ここまで作ってきたアプリを本番で使うための仕上げです。Webサイトへの埋め込み、プログラムから呼ぶAPI、コストを守る自前APIキー運用、そして使用量とプランの判断まで。連載10回の総まとめで卒業しましょう。

著者:株式会社ヨクト 技術チーム 公開日:2026.06.05 読了目安:約12分
#Dify#AI#埋め込み#API#コスト管理#総まとめ

今回のゴール

第1回から第9回まで、チャットボット・ナレッジ・エージェント・フローと、Difyのひと通りを手を動かして体験してきました。最終回のテーマは「作ったものを、安全に・賢く本番で使う」こと。完成したアプリをどう配り(公開)どう運用しどうコストを管理するかを、実画面で締めくくります。

💡 今回のゴール

  • アプリの公開チャネル(Web App・埋め込み・API)の全体像をつかむ
  • 社内サイトなどへ埋め込む3つの方法を知る
  • Service APIでプログラムから呼ぶ仕組みを理解する
  • System(AIクレジット)と Custom(自前APIキー)を理解し、使用量・プランを管理できるようになる

① 作ったアプリを“配る”3つの入口

第3回でも触れたとおり、編集画面の 公開する から、アプリをいろいろな形で世に出せます。大きく分けて3つの入口があります。

入口こんなときに
Web App(アプリを実行)専用URL(udify.app/...)をそのまま同僚に配る。第3回でやりました
埋め込み(サイトに埋め込む)自社サイトやポータルに、チャット窓を“はめ込む”
API(APIリファレンス)自社の別システムやアプリから、プログラムで呼び出す

このほか、AIツール連携の規格であるMCPサーバーとして公開する上級者向けの方法もありますが、まずは上の3つを押さえれば十分です。今回は埋め込みAPIを見ていきます。

② Webサイトに埋め込む

公開するサイトに埋め込む を開くと、埋め込み方法を選べます。用途に合わせて3種類です。

ウェブサイトに埋め込むダイアログ。iframe・右下バブル・Chrome拡張の3方式と、iframe埋め込みコード
▲ 図10-1 「ウェブサイトに埋め込む」ダイアログ。左から ① ページ内に埋め込む(iframe)② 画面右下にチャット窓(スクリプト)③ Chrome拡張。コードをコピーしてサイトのHTMLに貼るだけです。
方法どんな見た目に
iframeページの好きな場所に、チャット画面をそのまま埋め込む
右下のチャットバブル
(スクリプト)
サイト右下に“吹き出しボタン”を表示。クリックでチャットが開く(よく見るタイプ)
Chrome拡張ブラウザの拡張機能として手元で使う

⚠️ 埋め込み=“公開URL”を貼ること。情報の扱いに注意

第3回でもお伝えしたとおり、無料Sandboxの公開アプリはURLを知っていれば誰でもアクセスできる(実質パブリック)状態です。埋め込みコードに含まれるURLも同じ。社外秘の情報を扱うボットを、社外から見えるページに貼らないよう注意しましょう。本番の社内利用では、アクセス制限のかかった社内ポータルに置く・限定公開の仕組みを別途用意する、などの設計が必要です(ヨクトのような開発会社の出番です)。

③ プログラムから呼ぶ「Service API」

「自社の別システムからDifyのAIを呼びたい」というときは API を使います。左メニューの API アクセス を開くと、接続情報が確認できます。

APIアクセス画面。APIサーバーはhttps://api.dify.ai/v1、認証はAuthorization: Bearer、右にAPIメソッド一覧
▲ 図10-2 APIアクセス画面。APIサーバー=https://api.dify.ai/v1、認証は Authorization: Bearer (APIキー)。右上の APIキー から専用キーを発行します。

📖 公式情報の確認

Service APIのベースURLは https://api.dify.ai/v1、認証はAPIキーをBearerトークンで渡します。無料SandboxのAPI呼び出しは月5,000回までです(参照:Dify Docs — API リファレンスDify — Pricing)。

⚠️ APIキーは“合鍵”。クライアント側に置かない

画面にも注意書きがあるとおり、APIキーはサーバー側で保管しましょう。ホームページのソースやアプリに直接書き込むと、誰でも見られてあなたのクレジット/お金が勝手に使われる恐れがあります。第7回の「自前APIキー」と同じく、鍵の扱いは慎重に。

④ コストを守る ― System と「自前APIキー」

連載を通して、AIは無料の200クレジット(AIクレジット)で動かしてきました。本格運用では、この“2つの動かし方”を理解しておくと安心です。設定モデルプロバイダー を開きます。

モデルプロバイダー設定。クォータ184、OpenAIがAIクレジットを使用、APIキーを追加ボタン、システムモデル設定
▲ 図10-3 モデルプロバイダー設定。OpenAIが 「AI クレジットを使用」(=System)になっています。APIキーを追加すると、自前キー(=Custom)に切り替わります。上部の クォータ は残りのAIクレジットです。
動かし方意味向いている場面
System
(AIクレジット)
Difyが用意した枠(無料200)で動く。キー設定不要ですぐ使える学習・お試し・小さく始める
Custom
(自前APIキー)
OpenAIなどで自分のキーを発行して登録。料金は提供元に直接支払う本番運用・たくさん使う

💰 “200クレジット問題”の卒業=自前APIキー

無料の200クレジットは一度きり(月次リセットなし)。本格的に使うなら、第7回で紹介した自前APIキー(Custom)へ。図10-3の APIキーを追加 から登録すれば、以降はDifyのクレジットを消費せず、料金は使った分だけ提供元(OpenAIなど)に支払う形になります。なお、複数アプリで共通の“標準モデル”は システムモデル設定 でまとめて指定できます。

⑤ 使用量とプランを管理する

「あとどれくらい使える?」は 設定請求 でひと目で分かります。無料Sandboxの上限と、現在の使用量が並びます。

請求画面。SANDBOXプランの使用状況。アプリ4/5、メンバー1/1、ドキュメント1/50、アノテーション1/10、APIリクエスト17/5000など
▲ 図10-4 請求画面(SANDBOX)。アプリ 4/5、ドキュメント 1/50、アノテーション 1/10、APIリクエスト 17/5,000(月) など、上限と使用量がまとめて見えます。枠が足りなくなったら整理 or アップグレードの判断を。

使い込んで枠が足りなくなったら、有料プランを検討します。料金は次のとおりです(ワークスペース単位・月額)。

プラン月額ざっくり
Sandbox無料200クレジット(一度きり)・5アプリ・50文書・API5,000回/月。学習や小さなお試しに
Professional$59個人・小チームの本格運用。枠が大きく増え、ブランド(バッジ)も外せる
Team$159チームでの本格利用。メンバー数や枠がさらに拡大

ちなみに、無料プランではアプリ画面の下に 「Powered by Dify」 のバッジが付きます。これを消す(自社ブランド化する)には、設定カスタマイズ から有料プランへのアップグレードが必要です。

カスタマイズ画面。ブランドのカスタマイズにはアップグレードが必要。Powered by Dify を削除のトグル、プレビューにPOWERED BY Difyバッジ
▲ 図10-5 カスタマイズ画面。「Powered by Dify」の削除や独自ロゴ化は、有料プランの機能です(無料のうちはバッジが付きます)。

💡 コスト管理のコツ(連載の総括)

  • 学習・検証は無料Sandbox+AIクレジット+軽いモデル(gpt-5-mini)
  • 本番でたくさん使うなら自前APIキー(Custom)に切り替える
  • エージェントや多段フローは消費が増えやすいので反復回数・モデルを控えめに
  • 枠は 設定請求 でこまめに確認し、足りなければ整理 or アップグレード

連載10回の総まとめ ― そして卒業

おつかれさまでした!この連載で、あなたはプログラミングなしで、社内で使えるAIアプリを“作って・育てて・公開する”ところまで一気に体験しました。10回でやってきたことを振り返ります。

できるようになったこと
第1回Difyの全体像をつかみ、無料アカウントを作成
第2回最初のチャットボットを作成(プロンプトとモデル選び)
第3回公開してWeb Appで共有(公開時の注意も)
第4回社内資料を読ませるナレッジ(RAG)を作成
第5回出典付きで答えるFAQボットを完成
第6回ログ確認とアノテーションでボットを育てる
第7回Text Generatorで定型文を量産+自前APIキー入門
第8回プラグイン/マーケットプレイスとエージェント
第9回Chatflow/Workflowで多段処理+ツールでWeb検索
第10回公開・運用・コスト管理(今回)で卒業

ここまで来れば、もうDifyの“地図”は頭に入っています。あとは、あなたの会社の実際の業務に当てはめて作るだけ。まずは小さく、身近な「よくある質問」や「定型メール」から始めてみてください。

🎓 卒業おめでとうございます
全10回、最後までお付き合いいただきありがとうございました。Difyは「非エンジニアでもAIアプリを作れる」強力な入口です。ここで身につけた感覚を、ぜひ日々の業務改善に活かしてください。

この記事で参照した公式情報

※ 料金・プラン・上限・画面のメニュー名は、Difyのアップデートで変わることがあります。本記事は公開時点(2026年6月)の情報・実画面にもとづいています。料金は米ドル・ワークスペース単位の月額です。スクリーンショット内のワークスペース名(メールアドレス)は記事用に伏せています。

「作れた」を「業務で使える」へ ― ヨクトが伴走します

本連載で全体像はつかめました。次は自社の業務に合わせた設計・セキュリティ・本番運用・コスト最適化です。「社内データを安全に扱いたい」「複数システムと連携したい」「内製化を進めたい」――札幌のニアショア開発会社・株式会社ヨクトが、要件定義から運用まで完全内製で伴走します。まずはお気軽にご相談ください。

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